デュエマから学ぼう、カード調整の闇

新弾実装と共にアポロヌス・ドラゲリオンのDP殿堂入りが発表され、界隈様々な意見が飛び交っていました。そんな中で、運営の環境調整能力について大丈夫か?と疑問を呈したり、ボルフェウスのための露骨な調整などなど様々な意見がありました。こんな急だったり雑な調整が最近多いという意見もありますが、不遇好きはその辺を今回はぶった切っていきます。

結論から言います。この程度の騒動はTCG版を踏まえれば今後も発生しうると思っています。デュエプレの1、2弾環境みたいな環境は今後、期待しないと考えておくほうが精神衛生に良いと言わざるを得ません。今後も6月頭や今回のアポロヌスのような調整は必ずどこかであると思っていた方がいいでしょう。

え?その根拠は?と感じるでしょう。なので今回はTCG版での殿堂入り、プレミアム殿堂入りのカードを多数紹介して、デュエマの闇を語っていこうと思います。なので約15年間のデュエマの歴史を振り返っていくので非常に内容が長いです。あらかじめご了承ください。

デュエマ20年の歴史ではなく、15年としたのは~不死鳥編まではカード開発においてよくある初期ゆえの調整ミスや急な方針転換等々が多数発生していたため参考にならないと不遇好きが判断し、今回は現デュエプレで到達した極神編から現代までとしたからです。
そして、極神編期での開発班は一つのスローガンが掲げられていました。その内容は
”二度とボルバルザークを作らない”でした。それを踏まえた上で実際がどうだったかを振り返ります。




ボルバルザークのようなぶっ壊れカードを作らない、その心意気やよし!で幕を開けたはずの極神編環境。ボルバルの後釜を担ったサファイアも温泉送りにしてデュエマ5周年に相応しい、楽しく遊べる環境を作ろうとしました。が、ラスト・アヴァタールとアクア・パトロールを使った即死コンボが開拓されてしまいました。他のデッキも強かったのですがその即死性から発覚後すぐさまアクア・パトロールのプレ殿行きが発表され騒動は1か月で終わりました。




ラストパトロールが即座に解散となりボルバルマスターズからの反省が見られると思われていたデュエマですが続けざまに新たなる脅威、ターボロマネスク、ロマネスクと母なる大地&母なる紋章が襲来してきます。
このターボロマネスクというより母なる大地&母なる紋章は騒動こそ2か月で収まったからいいもののカード開発において混乱が発生していると言われてもおかしくない経緯になっています。
~不死鳥編までで母なる大地が環境最前線で使われ続けている(~2007年6月)

そんな中で大地を規制せずに紋章を出して実質8枚体制にする(2007年6月)

相性がバカみたいに良いロマネスクを登場させて環境を染め上げる(2007年9月)

異例のプレミアム殿堂コンビを指定を受けてロマネスクと大地&紋章が共存できなくする(2007年11月)

大地が4枚入ったスーパーデッキ「ビクトリー・ソウル」発売

大地が殿堂入り(2008年4月)

う~ん、この規制したいのか流行らせたいのか迷走している感がすごいですね‥‥この後は大地がプレ殿と同時に紋章が殿堂入り。その数年後に紋章もプレ殿送りとなりました。

とまぁ、次の弾が登場するまでに措置が取られたため騒動がすぐに収まりました。が不遇好きが今見返すと、誰だよこれにOKした人はとぼやきます。ラストパトロールに関してはアクア・パトロールがスーパーマイナーカードだったため見逃されてしまったという擁護点がありますが、大地、紋章、ロマネスクに関しては擁護できません。ある意味確信犯でやっていると言われても仕方がありません。

と、コンボ系は早くもボルバルザークを作らないが崩壊しかかっている中で生み出されたのがコイツ。



カードプールが充実しているからボルバルマスターズのようにはなりませんでしたが、このカードを作った人は後の事を考えていない馬鹿野郎と言われても仕方がありません。
理由は後々単色プッシュのシリーズをする際にこのカードが開発の障害になるという事がなぜ想定できないのかにつきます。多色プッシュしているからこれくらい強くてもOKはその当時ならいいのですが聖拳編の後の転生編が単色主体という事例を踏まえた上でこの調整は後の事を考えていないと言われてもおかしくありません。
と言う事でキング・アルカディアスは環境に君臨し続けてプレ殿送りとなりました。デュエプレでは調整され目立っていませんがこのカードに関しては後々に問題となる要素がありますがそれは別の機会に(同じ問題をサファイアも持っているがこちらは単純)

”ボルバルザークは二度と作らない”のスローガンを掲げた極神編は表向きは5周年のお祭り感と多様性を増していくメタゲームで盛り上がりましたが裏の闇の部分はコレです。運営の迅速な対応は評価に値しますが‥‥テストプレイの時点で気づけというものがある時点で手放しで褒められるようなことではないでしょう。実際この極神編期には後々に殿堂入りする3枚目の大地こと獰猛なる大地と坊主めくりと揶揄される至ったミラクルとミステリーの扉が登場しているのですからね。


とまぁ開発班は意図的に強いカードを作ってしまうという事が分かった上でカードを見ていきましょう。




勝舞の時代のデュエマにおいて出せば勝てる進化獣2体です。コイツ等を作った段階でボルバルザークは2度と作らないというスローガンは幻想へ消えたと言っても過言ではありません。
まずはキリコ。デュエマにおいてソリティアという単語を浸透させるきっかけとなった1枚
キリコが着地した瞬間から踏み倒しによるチェイン処理が発生し何体ものクリーチャーが場に出たり山札に戻ったりを繰り返しCipの効果処理が面倒な事になっていきます。今でこそこういったチェイン処理は日常と化しましたが当時はキリコ以外ではほぼほぼ存在せず効果処理に手間取る決闘者が続出し、される側もこの事象に慣れていないためそのストレスは計り知れなかったでしょう。そして踏み倒しによって最終的にはキング・アルカディアスが降臨したり、パーフェクト・ギャラクシーが4体並んだり、でかいドラゴンが何体も並んで最終的にはみんなで一斉攻撃してきます。ついでに構築費用が高いという問題点も加わりヘイトが集まった結果キリコは殿堂入りしました。

お次はMロマ。コイツはデビルドレーンで自分の盾を全部手札に加えた後、敗北遅延ができるガブリエラとハヤブサマルで耐久した後、Mロマの呪文踏み倒しで”憎悪と怒りの獄門”を唱えて即死させるというコンボ生まれました。もしくは小型獣を並べた後、Mロマで魔弾ベター・トゥモローを唱えて自軍全てをTBにして一斉攻撃という二うつのコンボがアホみたいに強かったため殿堂入りとなりました。

そしてこの2体の進化獣、殿堂入りで一時衰退したものの1体でも出せれば勝てるという事でキリコは逆転のオーロラによる盾落ちケアと神秘の宝箱による確定マナ置きによって、Mロマは進化の化身でサーチができるという事が発覚しました。結果、キリコとMロマは1枚制限化でもトップメタに食い込み2012年3月に両者同時にプレ殿となりました。

この2体の進化獣の経緯を見れば分かる通り1枚でゲームを終わらせられる切り札はサーチが可能な場合殿堂入りが意味を成さない可能性があります。なのでヘリオライズで確定探索が可能なアポロは容易にリペアが可能な上に出せば大体勝てるという条件を満たしているため、不遇好きは環境から完全に脱落させるにはナーフだろうと踏んでいました。が、結果は殿堂入り、果たしてアポロはTCG版のキリコやMロマのように1枚でも環境に残るのか今後の研究がまたれます。

勝舞から勝太へと世代交代した結果、ボルバルザークは2度と作らないも完全リセット、第二次ボルバルマスターズが開幕しました。



出したら自分のマナを全てアンタップするSAのWBという事で事前公開段階で環境がエクス1色になるのでは?と危惧されていましたが、結果はもちろん環境を染め上げましたまだ1枚制限だったキリコ系のデッキはもちろんマナがアンタップするため無限ループにも悪用されヴォルグサンダーによるLO、Nエクスを代表とするマナと手札を増やすビートダウンとあらゆるデッキを強化し、圧倒的な使用率を見せつけて第二次ボルバルマスターズと言われる環境を作り上げました。
当然、この事態は見逃されるはずもなくエクスも殿堂入りし、第二次ボルバルマスターズは終焉を迎えましたが、登場から殿堂入りまで約9か月というのは歴代の殿堂入りレコードの中でも早い部類に入ることからいかにこのエクスも初代と同様にヤバイカードだったかを物語っています。

第二次ボルバルマスターズの次に待っていたのは10コスト以上の大型クリーチャーによる大怪獣決戦のE2環境。順当にマナを伸ばして怪獣を手札から出すデッキも当然強かったのですが、ヘイトを集めたのはやっぱりコイツ等でしょう。



この2枚の踏み倒しカードによってわずか5マナで大怪獣を踏み倒せるバケモノみたいなデッキが爆誕更にこの2枚はSTがあるためターンをまたいでリーサルを狙うビートダウンが運悪くこの2枚のトリガー発動を許したら最後、確定除去にランデス、マナ加速ができるヴィルヘルムや、一斉除去のモーツァルトが出現し盤面がボロボロにされてしまいます。ちなみにヴィルヘルムとモーツァルトは12000以上のパワーとTB持ち、こんなのをトリガーや5マナ帯で出せてよいわけありませんがコイツ等でもまだマシと言えるのがE2の大型獣クオリティ。



そう、一番の脅威は言わずもがなコイツ、”勝利宣言鬼丸「覇」”。ATのガチンコ・ジャッジによるEXターンによって5マナorSTミラミス&ホーガンから「覇」が出現しEXターンによってなすすべもなく敗北という事態が頻発。この踏み倒しとガチンコ・ジャッジによる坊主めくりと揶揄される悪魔のようなデッキが環境に鎮座することとなります。

で、本題はここから、この運ゲー坊主めくりデッキは当然運営が見逃すはずもなくミラミスの殿堂入りに続けてホーガン・ブラスターも殿堂入りするに至ったのですが‥‥開発は何を考えていたのかこの2枚の殿堂入りと同時になぜかこの1枚を登場させます。



ホーガン・ブラスターとの違いは文明が自然になった、クリーチャー以外はマナに行くようになっただけというミステリー・キューブはミラミス&ホーガンのリペアカードとして開発が期待した通り?に坊主めくりゲーを展開、E3のゴッド・ノヴァとドロンゴ―がイマイチスペックだった事もありE2期となんら変わり映えのない坊主めくりゲーに嫌気がさした結果、引退者が続出。妖怪収集ゲームの躍進というマイナス要素も相まってデュエマ第二の暗黒期を作り出す遠縁となってしまいました。
そしてミラミスプレ殿、キューブと「覇」の殿堂入りを持ってこの坊主めくりは終焉を迎えましたが、殿堂入りした後、即座にリペアカードが登場し環境を壊し続けるという事例を生み出してしまったというのは特筆に値するでしょう。

さて、キューブはただのリペアで一応弱体化?はされているのですが、このミラミス&ホーガンからのキューブリペアはまったく反省されることなく受け継がれることになります‥‥更に悪化するというオマケ付きで。



時代はE3から更に進んで革命ファイナル期。ギフトは以前にも悪い事をしていましたが軽減先のクリーチャーを生贄に捧げ殿堂入りを免れていました。が、モルトNEXTやメガ・マナロック・ドラゴンの早出しが危険すぎるという事でそこまで併用率が高くないにも関わらず2016年9月15日に殿堂入りとなりました。

しかしギフト殿堂入りと同時期に新弾の事前公開でスクランブル・チェンジが公開されました。軽減率はギフトと変わらず、赤のドラゴン限定になった代わりにSAを付与させるという意味が分からない効果を与えられたスクランブル・チェンジの公開によって、多くの決闘者からはギフトの殿堂入りの意味とは?を考えさせられ、以前のミラミスホーガンからのキューブと同じ流れであることから不満や否定的な意見が続出しました。

そして2016年9月17日にスクランブル・チェンジが世に出ることになったのですが、スクチェン登場からわずか2日後のGP3rd(参加者約2000名の超大型大会)では案の定、スクチェン→マナロックが猛威振るうどころか、NEXミラダンテでも5枚目以降のコッコ・ルピア枠として4Tにボルシャック・NEXやマナロックを召喚するためにスクチェンが使われるなど、色が赤になった事のをいい事にスクランブル・チェンジ&マナロックが大流行、その後も革命Fが多色推しという事も相まってヘイトが集まりました。
という事でいつものようにマナロックが殿堂入りとなったわけなのですがこれでスクチェンの恐怖が終わるわけではありません。今度はモルトNEXTデッキで猛威を振るう事となりました。



軽減とSA付与をモルトNEXTに与えるとどうなるのか、そう5マナのSAで2回攻撃ができるバルガゲイザーが爆誕することになります。



スクチェンNEXTからこの「閣」を出すことによってモルネクはSAで2回攻撃しデッキに30枚ぐらい入っているドラゴンを踏み倒すバケモノのなります。そして「閣」が龍解しバトライ武神になることで更なるコンボが可能となります。



そのコンボの名は「閣」ループ。バトライ武神のATは山札の上3枚からドラゴンを踏み倒すという超大型バルガゲイザー。そして武神が攻撃する時革命チェンジを宣言するとどうなるのかというと‥‥

①武神が攻撃する時革命チェンジを宣言
②武神は革命チェンジよって手札に戻ろうとするが自身の龍回避能力によって閣に戻り攻撃がキャンセルされる
③閣が手札に戻らないため革命チェンジは失敗、革命チェンジで出るはずだったドギラゴン剣(他の赤の革命チェンジでも可)は手札に残る
④ここで武神のATを解決し山札の上3枚を見てドラゴンを場に出す
⑤ドラゴンが出た場合、「閣」の龍解条件”ターン中2体以上ドラゴンが場に出したら龍解”を満たしたら龍解し武神になる
⑥これで①に戻る。

ドラゴンが捲れ続ける限り相手へ殴る行為を止めつつドラゴンを踏み倒し続け、場をドラゴンで埋め尽くすという凄まじいコンボによってあらゆるデッキが灰塵となりモルトNEXT最強伝説を作ることになりました。
結果、スクチェンを殿堂入りさせてもモルトNEXTは環境トップ維持し続け、モルトNEXTと「閣」の併用を不可能とするプレミアム超次元殿堂コンビによってモルトNEXT最強伝説は終わりを迎えました。この「閣」ループを難しくするための措置なのでしたが「閣」ループは後でまた登場します、覚えておきましょう。
とまぁ、マナロックとモルトNEXTを異次元の強さへと引き上げたスクチェンは殿堂入りとなったのですが、最初で言った通りギフト殿堂入りの意味がねぇという事態を引き起こしたという点でキューブより罪が重い大罪カードとして多くの決闘者の記憶に残ることになりました。


モルトNEXT最強伝説時代においてもう1体環境で暴れに暴れたドラゴンが存在します。そのドラゴンの名は”青き団長ドギラゴン剣”、単体で使ってもクッソ強かったうえに上記の通りモルトNEXTのパワーを異次元の領域へと引き上げて殿堂入りするまで止まるんじゃねえぞをリアル実行してしまったカードになります。



事前発表段階では踏み倒し先や革命チェンジ元となるコスト5以上の赤or緑のドラゴンなんて都合がよいカードは少なそうという事で過少評価されていました。
が、登場後すぐさま、環境トップに食い込むことになります。というのも革命チェンジというギミックは殴るときに誘発するためマナをドローなどの手札補充に使う事が可能で1コス獣ですら出しさえすれば5コスのチェンジ先が存在しそこからドギ剣につなげられるという事が発覚、更に踏み倒し先も赤黒に勝利のアパッチウララーを発掘することに成功、このアパッチから更にサイキックを踏み倒し、勝利リュウセイ、鬼流院刃、パンツァーの3種によってアパッチからほぼ確定で多色のWBサイキックを踏み倒すことが可能になりました。
コンボを言葉にすると長くてわかりにくいですね、なので簡単に言います。ドギラゴン剣からアパッチを出して更にサイキックを出すと全員SAの6打点形成によってゲームに勝てる可能性があります。
この超お手軽簡単即死打点製造マシーンと化したドギラゴン剣は瞬く間に環境トップに君臨、サイキックにはSAの勝利ガイアール、スクチェンマナロックに自前でSAと墓地肥やしと墓地回収をもつイーヴィルヒートによってハンデスも効果がない上にイーヴィルヒートや超次元呪文1発から即座に6打点を形成、受けも革命チェンジの素材になるボルシャック・ドギラゴン&サブフィニッシャーにもなるドキンダムXをも取り込み2016年最強のビートダウンデッキの名を欲しいがままにしました。
当然運営からイーヴィルヒートとマナックが殿堂入りしこの最強ビートダウンデッキ赤黒剣は解散となったのですが、上での経歴の通りモルトNEXTにも搭載できることが判明しドギラゴン剣は環境に残ります。

‥‥‥‥無論、ドギラゴン剣自体も新たなる相棒を手に入れて専用デッキが組まれます。そのデッキの名は5Cバスター、従来のビッグマナ、コントロール系とは全く違うビートダウンする5色デッキとして環境最前線に残ります。赤緑のドギラゴン剣、革命チェンジの素材にして自身も踏み倒し能をもつリンネビーナス、受け札にもなる5色専用のデッドブラッキオ、リンネから出せる呪文封殺のラフルル&クリーチャーによるカウンターを封殺する単騎マグナムにドローのアクアンメルカトールを据えた5Cバスターが台頭してきます。
そして新章DM期、侵略、革命チェンジと2年続けて踏み倒しギミック環境だったため超強力踏み倒しメタを作ったのですがバイク同様ドギラゴン剣もこの踏み倒しメタを(どうせ相手にしなくちゃならないミラーマッチ対策のために)獲得し、踏み倒しメタを除去する方法を組み込んだ青黒赤バスターが環境に登場、メタカードを乗り越えてメタを取り込む柔軟性を発揮します。
このドギラゴン剣の柔軟性は秘密はというと、圧倒的にコンボパーツの少なさにあります。ドギ剣、チェンジのための素材、アパッチの3種×4枚の合計12枚さえあればドギラゴン剣デッキとして成立します。後の28枚はメタ対策やミラー対策、デッキの回転率向上に枠を割けるため圧倒的構築の自由度によって周辺パーツの殿堂入りをものともせず、スタン落ちがないデュエマの圧倒的カードプールの中から答えを探し出して組み込むことが可能になっています。

そんなドギラゴン剣も登場から1年半以上経過し青黒赤バスターも5CバスターもモルトNEXTの「閣」ループの前には灰塵となることが判明しドギラゴン剣はデッキとしては型落ちが目立つ(なお閣ループのパーツとしてドギ剣自体はNEXTのドラゴン枠としてクソ強い)ようになって2018年を迎えることになりましたが、この1月に運命のカードが登場します。



そのカードの名は龍装チュリス、新能力BADによって3マナで召喚できる5コストのドラゴンです。5コストのドラゴンを3マナで出せるという事は3T目にドギラゴン剣によって6打点作れることを意味します。これまでは5コスの超次元呪文や小型獣→5コスの革命チェンジ獣を使って成長させたり、5コスのイーヴィルヒートや6コスのリンネ・ヴィーナスをコスト軽減やマナ加速を駆使して早期着地させることですら環境上位に君臨したドギラゴン剣にこんな専用カードを与えていいのかと多くの決闘者に疑問を抱かせました。
そして結果はというとこのチュリスの登場から2か月後の全国大会の結果はご覧の通り

4位ドギラゴン剣
3位ドギラゴン剣
2位ロージアダンテ
1位ドギラゴン剣

という事でドギラゴン剣は2018年も最強デッキの一角としてデュエマに君臨することになりました。全国大会優勝の賞品なのかここに更に龍装者バルチュリスを与えるという暴挙のような行為を運営自ら敢行し手が付けられない凶悪なデッキとして環境トップを走り続けました。



そして2019年3月1日、ドギラゴン剣が殿堂入り、登場当初から約2年9か月という長い期間環境最前線戦を駆け抜けたドギラゴン剣は伝説となりました。なお1枚制限となってもモルトNEXTやデッドダムド(なぜか相性が良かった)のデッキに搭載されたりし、専用デッキは組まれなないものの使われ続けました。2021年はというと調整版である”青き守護神ドギラゴン閃”のデッキに搭載され(相性がいいカードを獲得しぶっ壊れコンボによって復活した)超竜バジュラと共に活躍を続けています。

ちなみに殿堂入りまでの2年9か月という長い期間中ドギラゴン剣(と他の要因といってもモルトNEXTが大半)が原因で生贄として殿堂入りしたカードはご覧の通り

イーヴィルヒート、マナロック、単騎マグナム、ラフルル、プラチナ・ワルスラS、次元の霊峰、アパッチ・ウララー

とまぁ多くのカードを犠牲にしても本体が規制されるまで環境上位を維持し続けました。というか2種のチュリスは延命と言われても仕方がないですが、なぜこのような事になったのか?

いくつか推測される理由を上げます

1 登場から約1年後の新章DM期にへの転換でカードデザインの変更によって売り上げが落ちてしまい、卒業者が続出している高年齢層に対してドギラゴ剣の殿堂入りは更なる売上低下への懸念点が高かった。

2 ボルバルマスターズと違い他のデッキタイプも極めて強力であり強いが環境を独占したのは初期の赤黒剣と最後のチュリスからの団長チェンジだけで対策札もあり強いが対処不能という訳ではなかった。

3 基本的には打点を増やして殴るというデュエルマスターズの基本ルールである相手の盾を全て割ってダイレクトアタックを決めるという部分から逸脱しなかったのでゲーム性の崩壊が無かった
 
4 いかに強くともドギラゴン剣より強いカードも存在し良くも悪くも他のカードとの組み合わせが前提であったため単体ではそこまで強くないと判断されていた

などの理由が推測され、長きにわたって殿堂入りしなかったという線が濃厚だと思われています。実際、モルトNEXTも閣との併用ができなくなった後も強化カードが登場し続けドギラゴン剣も去年スーパーデッキによるリペアがされたことからも、モルトNEXTとドギラゴン剣はヘイトを集めたがそれ以上にプレイヤーから愛されたカードだと開発が思っている部分が大きいと思われています。実際、この2種が相棒だった決闘者は多いはず。


とまぁ強くてもそのカッコよさなどから愛されるカードになれる可能性はあるのですがまだその爪痕の方が印象に残っている最凶ギミック‥‥GRがドギラゴン剣亡き後のデュエマを完全崩壊させることになりました。最近のデュエマは何かがおかしいの諸悪の根源です。



登場当初からGRは他のカードからオマケのように出てくるわりに強いし、メタカードも少ないという評価だったのですが、弾が進むにつれてありえないほどにインフレが進行し手が付けられないことに。
ミッツァイルによる核戦争と揶揄されるクソ環境に続いて、ドッカンデイヤーによるドッカンマスターズは多くのプレイヤーにGRへの憎悪を与えるには十分以上の凶悪さでした。
ちなみにこのヨミジ丁二式は登場前からループが考案されました。がこのカードの最もヤバい点はシールド戦という15パックを剥いてその中から30枚でデッキを組んで戦うというレギュレーションですら無限ループが発生する可能性があるという正真正銘のウルトラぶっ壊れカードとして登場からわずか197日で規制が入るという最初から1枚制限だったカードの類を除いて歴代最速のレコードを叩きだして殿堂入りをすら意味を成さないと多くの決闘者が予期した通り1発プレ殿という快挙を果たすことになりました。
経緯が経緯なので、規制に関しての反対派は皆無であり、なぜこのようなカードを生み出したのかなど開発への不信感を集めるには十分すぎました。実際運営もGRはミスだったスマンというクリエイターズレターを出すなど2019年の夏から2020年夏までの環境はGRに支配されていたという異常事態としてデュエマの歴史に刻まれることになりました。

GRの脅威をある程度乗り越えたデュエルマスターズ。これで十王編という10個の新規ギミックのデッキたちによる群雄割拠の環境になるわけもなく新たなる脅威が襲来します。その脅威の名はドラグナー、つまり閣ループリターンズです。



この爆龍覇ヒビキはコスト4のヒューマノイドでSAでコスト3のドラグハートを装備できるため閣のウェポン状態であるバトライ刃を装備出来ます。で、このバトライ刃は装備獣にバルガゲイザー効果と攻撃されないを付与します。
そしてこの4コスSAバルガゲイザーを2コストで出せるヘブンズ・フォースと組み合わせることで僅か2T目から大型ドラゴンを踏み倒せる坊主めくりデッキが爆誕することになりました。無論、ドラゴンが捲れるとバトライ刃は閣へと龍解する事ができます。



もういわなくても分かりますね、後は閣の効果によってドラゴンを踏み倒すことになるのですが、此処でドギラゴン剣とは違う革命チェンジが使われます。



それがこのハムカツマン蒼、上のヒビキからチェンジできて登場時の能力が山札の上から4枚を見てその中から多色獣1体を山札の上にセットするというもの。このセット能力とバトライ刃or閣と組み合わせると、トップデックにクソ強多色ドラゴンをセットした後に坊主めくりができるハイパーコンボが僅か2T目で可能となります。
更にこのハムカツマン蒼はなぜか種族にドラゴンを持ち色が赤緑で革命チェンジを持っているため最速2T目に着地した閣が3T目以降にバトライ武神になるとハムカツマン剣よって閣ループが可能となります。

Q上記によってかつて禁止にされたモルトNEXTと同速以上の速度で閣ループが可能になりますが大丈夫なんですか?

A全然ダメでした。


結果、2T目ヘブフォバトライヒビキからのハムカツマン剣による坊主めくり強化&閣ループによって環境はこのギミックを搭載した連ドラグナー1強体制を作ることになりました。モルトNEXTと閣のプレ殿コンビの反省がまったく感じられないこのデッキによって十王編のギミックたちのほとんどは環境の表舞台に立つ権利すら与えられませんでした。
当然、この後作った事を後悔しながらは邪推ですが、裁定変更による閣ループの禁止、バトライの1枚制限、ヘブンズ・フォースの一発プレ殿で幕を閉じました。登場から約4か月という異例の速さで規制された連ドラグナーはGR共々デュエマの歴史に名を刻むことになりました。

とまぁ極神編から現代までを振り替りましたがいや~すごいですね~どいつのこいつも頭がおかしいとしか言いようがありません。ボルバルザークは2度と作らないというスローガンは楽しければそれでいい、強いカード作って売り上げを伸ばすという前には意味を成しません。
こんな事を繰り返したカードゲームのリメイクをやっているのがデュエプレです。(多分)TCG版から人材を引き抜いている以上、これらを積み上げてきた人たちがデュエプレの調整を行っている以上、環境が崩壊しなければOKぐらいに考えておいた方がマシです。なのでアポロヌスに関してはこれらを積み上げてきた開発ならやりかねないと不遇好きは判断していますし、同じような事は今後も起きると思っています。




半年後はコイツが目玉になる可能性があるんだよなぁ‥究極進化と進化Vが同程度の難易度とはいえ10コスとマナから呪文踏み倒しは探索を考えると手札からの劣化、そして踏み倒し以外能力はないというただの大型獣。コイツをプッシュするならボルフェウスが第二のアポロヌスになるという可能性があるという未来を不遇好きはキャッチしています。

長くなりましたが今回の語りを終わります。次回は10弾実装カード予想、戦国編のギミック紹介になります。