自然文明のSRはなぜ弱いと言われてしまうのか

少し遅いですが新年あけましておめでとうございます。コロナでTCG版は大会ができないとかがありますがデュエプレは第1回の公式大会ですでにオールリモートでの開催なので影響はないでしょう。新年1発目のSPマッチは結局自分はバジュラに頼りました。構築の縛りがきつい中結構いい感じに連勝できた時もあったのでまあそれなりに楽しめました。
 え~近況報告はこれくらいにしまして今年最初の考察はタイトルの通り自然文明はなぜ微妙なカードが多いのか?という事を掘り下げていきます。いろんなところでまことしやかにささやかれるこの話題について個人的に突っ込んでいきます。

 デュエプレでこの手の話題を出す場合まずTCG版はどうだったのか?という話をします。別物だろと思うかもしれませんが比較対象がないとわかりにくいので参考にする枠で自分はTCG版の話も大量にします。で、TCG版の不死鳥編期までで活躍した自然文明のSRはというと、使われたのは二つ牙とアーク・デラセルナだけという非常に寂しい結果で終わっています。
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 ちなみにTCG版で不死鳥編までの全緑単SRはグレート・ホーン、デスブレード・ビートル、二つ牙、天空の超人、フィオナ、神拳の超人、ガイアマンティス、神秘の超人、金剛の超人、バイラスゲイル、驚天の超人、不落の超人、ダクマバルガロウ、アーク・デラセルナ、メサイヤ、パワード・スタリオン、アクテリオン・フォース、ブラムグレール、ジェネラル・クワガタン、グレイト・カクタス、ドラグハリケーンエナジー、災勇鬼ダイゴクウ、ウラヌス・ナインテイル、ビッグバン・アナスタシスです‥‥名前だけでももう分かりますね、大半のカードが弱くて使われなかったためデュエプレではベーシック送り(実質降格)やレアリティが下がったカードが多いですね(他文明もこの辺は変わらない、ウルスとかザガーンとかボルシャックとかいるので)
 ただ、この辺の事情は他の4文明も自然文明を笑えない状況でした。アルカディアスやバロムが環境で活躍した実績はなく使われたのはペトローバだけの光、闇はザガーンやデスカールといたネタカードが話題の中心でした(今でこそブライゼナーガは強いが当時基準ならお話にならない)。火はボルメテウス・ホワイト・ドラゴン一強が長らく続き、不死鳥編期後半でようやくバジュラが活躍し始める程度、水もパラディン以降弱いカードばかりでアトランティスやアクア・マスターがネタにされると、各文明SRの強さは弱い方向で五十歩百歩でした。
 じゃあ、環境で活躍したカードたちのレアリティはというと、リーフ、ボルバル、サファイアは全てVRで収録されました。まぁ、VRの方が封入率が高いのでお財布には優しいのですが‥‥なので古のカードゲーム界隈では”デュエマのトップレアは弱いカードが多い”まことしやかにささやかれました。

 TCG版は上記の通り。ではデュエプレはというと、今は使われなくなったが長く使われた二角の超人、今でも強いダイヤモンド・ブリザードサファイア実装後に頭角を現したカチュアは環境上位に食い込みました。環境下位、候補レベルでもパンダや強化されたダクマバルガロウは使われている方です。アレ?TCG版より数多くね?という事で自然文明のSRが弱いというのは風評被害TCG版の弱すぎる状態から脱却して健闘していると自分は思っています。

 じゃあ、なぜこの風評被害のような事が起きてしまったかというと、様々な事情から自然文明の大型クリーチャーが弱いからだと思います。なので自然文明は SRが弱いのではなく大型獣(特に10000越え)が弱いというのが実情になります(この辺は低レアリティカードにも当てはまるのでSRだけの問題ではない)
で、この現象の原因も複数あるので考察していきます。
まず最初の問題は文明ごとのカードデザインの方針で自然は大型獣で強いカードが作れない、ということです。自然はマナの扱いがうまい文明なのですが、マナ加速や回収をするなら基本的に低コストカードの方が強く、大型獣の能力がマナ加速やマナ回収というのは物足りないと感じやすい。マナ送り除去も利敵行為になりやすいわりに(~不死鳥編までのカードでは)回収が難しく除去能力持ちの大型を作らなかったというところに原因があります。

 もう一つはメディアミックスにおいて自然文明そのものが微妙という事です。というのもカードゲーム業界においては”ドラゴンがいないと売れない”というジンクスがありデュエマも例外ではありません。主人公の勝舞の切り札はドラゴンというのもこれに倣ったものになります(この辺は他のカードゲームも一緒)で、主人公=赤というのは長年戦隊ヒーローものから受け継がれてきた関係で赤=主人公となります。で、デュエマのカードデザインにおいて赤すなわち火文明は最弱の能力というデザインがされてしまいました。除去はパワー制限があり実質闇の下位互換、ドロー能力なし、マナ加速なしなど意図的に弱くしているレベルで弱いです。ですが子供達に赤は大大大人気、そして多くの子供たちが赤のカードを使い公園のデュエマでは普通に勝てるため赤=弱いという認識を持てずカードショップでの大会等に参加して現実(赤=弱い)を認識し挫折してやめるorカードショップで遊ばなくなるか受け入れて勝つために非情になるという事態が各所で発生しました。
 この現実を重く見たデュエマ開発班はどういう考えを持ったかというと”じゃあ、インチキ能力を持った赤のドラゴンを作ればいいじゃない”となり、ボルメテウスやボルバル、サファイアなどが作られました(実際赤のクリーチャーにはインチキ能力持ちは多いよね「覇」とかNEXT、バイク、GGGその他いろいろ)。ついでに漫画アニメでもそのインチキ能力によって一発逆転しやすい、切り札感があるという事で火文明は主人公が使うカード周りだけはデザイン方針度外視で調整されました(おかげでえらい目に合うのだが‥‥)
で、二番人気は、天使と悪魔、正義と悪ということでドラゴンや赤ほど子供達には受けないものの、まったく響かないわけではなく一定に受けが取れ、派手なロック能力、破壊能力によって人気を得ました。その派手さやテーマ性から主人公のライバルは光使い(白凰、レオ、ルシファー)と闇使い(黒城やコジロー)という展開がデュエマの王道になりました。おかげで白凰=アルカディアス、黒城=バロムとなどテーマ性がはっきりし子供たちに受け入れられました。
一方自然は初期デュエマにおいては使い手が明確に決まっていませんでした。初期で自然を使っていたのは金太郎とミミちゃんなのですが、金太郎の切り札はバジュラで火文明混色、ミミちゃんも切り札は金剛の超人だったがデッキ構成は白抜き4Cでトリガー多めの構築(チャージ終盤は白赤緑でデッキ全部シールドトリガーの構築)で、緑単色のキャラクターはほとんどいませんでした(水は水で赤ちゃんのジョージ卑怯上等の牛次郎とこちらも色物)。このため自然でわざわざヒロイックなカードを作る必要がありませんでした‥‥というより~不死鳥編までは火、光、闇もヒロイックなカードを作っても環境でなかなか活躍できず調整に難儀し、水と自然まで手が回らなかったというのが実態です。
 このヒロイックなカードが使われなかったという事を改善するためデュエプレではなるべく自己完結したデッキを作らせようとしているためオリカや魔改造でマナ加速やコスト軽減、ドローカードを実装し極力マナ加速のためだけ自然を使う、ドローのために水を使うという構築をしなくてもいいようにカードを実装しているのでことさらに自然文明弱くね?と感じてしまいます。
 更に自然の特色であるマナや手札を増やしたり入れ替えたりする能力は強く作っても子供達には非常に受けが悪く、人気がない能力です。デュエマをやりこんでいくとこれらの能力はデッキの下支えに必要不可欠な物と認識できるようになり大量ドロー、高速マナ加速、低コストでアドが取れるカードは強いと理解できるのですが、子供たちには派手な能力やキャラになりきりたいという憧れからこういうカードに中々目を向けません(実際不死鳥編当時で最強カードの一つである母なる大地の強さを子供たちに説明し使いこなせるようにさせるのは非常に大変だった)
このメディアミックスやカードデザインの方針でカッコいい自然(水)のクリーチャーはなかなか作られませんでした。なのでデュエプレでツヴァイランサーが活躍しているのが例外事態といった方が正しいです(水もツヴァイを除けば環境で活躍したのはパラディンとリーフで大型獣じゃないよね)。この流れを汲んだデュエプレでもパワー10000越えの自然クリーチャーで環境で活躍したカードはほとんどいないので、文句を言ったところで魔改造やオリカでどうにかなるレベルではなかったとあきらめた方が賢明だと思います。

 じゃあ、デュエマの自然は弱いのかというとそうではありません。登場以来万能カードとして悪用され続け”温泉送り”(デュエマだと禁止カードにされることをこう呼ぶ)された母なる大地や母なる紋章、糞豆。自然文明でよからぬ使い方をされ殿堂入りやプレ殿されたカードは数知れず(巻き添えやばっちりも多数)、自然文明はたびたびデュエマの環境をよろしくない方向に傾け(子供向けTCGから逸脱したテクニカルすぎるムーヴや無限ループでLOフィニッシュがトップメタ)、下手にマナ利用を強く調整するとぶっ壊れが大量生産されるという事態を引き起こしました(この辺も水はドローやテクニカルなカードでたびたびやらかしている)。
なので、健全にシールドをブレイクして止めを刺す”誰もが楽しく激しく熱く、ハラハラドキドキできるデュエル・マスターズ”という運営の目標と自然文明はたびたび対立するため、安全運転にカードを作ろうとすると自然(と水)は必然的にあまり強いカードが作れなかったり、調整されたり、デュエプレではそもそも実装されないという事が起きています。デュエプレはこの辺にかなり気を使っていて自分のクリーチャーを手札に戻すカードをほぼ実装していない、探索化、マナ回収に条件を指定するなどでループによる爆アドや過度にテクニカルすぎる戦術をできないようにしています(まあ、そんなに気を使っているなら初期のダイブリに気付けよとなるのだが…)
このため、元々大型がいない自然(と水)はカードデザインの段階で制約が大きくなって適切に強いカードが作れないというのが自分の結論になります。

最後はそんな事情でSRで派手なカードは自然文明という枠で実装され環境で活躍できるのか?という話をします。
え~まことに申し訳ありませんがそういう派手でヒロイックでSRで実装されて環境で戦えそうな自然の大型獣はあまりいません、ゴメンネ。
頑張って候補を挙げても今年1年で実装されそうなのは大量展開が可能なビッグバン・アナスタシスぐらいしかいません。まあ、今年後半は極神編という多色メインになるので単色という縛りをするとまじめに候補はビッグバンくらいしかいません。また多色まで候補を広げてもゴッドの超絶神ゼンと地神エメラルド・ファラオ(リンク先が赤と黒なので実質運用は多色)くらいしかいません。なので自然文明はマナ加速でヒロイックなカードたちの足回りを支えるという事に特化した低レアリティカードの実装を要望した方が賢明だと思います。
 その方向なら、極神編での多色プッシュによってトリプルマウス(黒緑1ブースト1ハンデス)やスプラッシュアックス(調整されて1ドロー1ブースト)が実装されれば白黒緑や青黒緑といった構築が生まれる可能性があり、他にもエンペラーマルコで青赤緑やエメラルド・ファラオを使った黒赤緑のゴッドデッキ、ロマネスクを使ったデッキなども環境で戦える可能性があるのであるので環境で自然文明を見ないという事はないと思っています。

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 なので自然で大型で強いカードを作るよりは便利なカードを作る方が良いと自分は思っています。例えばライフプランチャージャーを先行で実装するなどです。オリカなら
タイタン・チャージャーUC(4コス呪文)
・山札の上からカードを1枚マナゾーンに置く。その後マナゾーンからクリーチャーを探索しその中から1枚を選び手札に加える。
・チャージャー

こんな感じのカードの方が自分は自然文明の使用率が上がると思っています。

 このため自分の中では基本的に自然という文明は低コスト低レアリティカードによるマナ加速でアドを取る文明という常識と認識がありその辺の事情を知らない、もしくは5文明は平等であるという考えを持つ人がデュエプレで初めてガチのデュエマをすると自然は弱いという認識になるのかな?と思います。最近の自然文明は大型も強いのだが最終的にはマナ利用を絡めた異常な大量展開によるロマン構築かアンフェアな戦術になりやすくバランス調整がむずかしい。また直近のTCG版環境の異常な高速化によってマナ加速という行為が廃れてきているのでデュエプレと合わせてことさらに自然=弱いという風評が流れやすいのかなと思います(実際はデトダムとか強いカードもいるんだけどなかなかライト層には気づかれない)
 という事で今後のために言っておくと5文明の間にはメディアミックスや背景ストーリー、カードデザインの方針などにおいては平等ではなく明確に序列が存在します。また自然のマナを扱うというデザインは容易にゲームバランスを崩壊させる可能性があるため、二週目として再調整される自然は弱体化されていることが多いという事を覚えておきましょう。また古い時代のクラシカルなデュエマにおいて自然文明の役割は基本的にはマナ加速が中心で各デッキの足回りを担う文明であるという認識をデュエプレで初めてガチのデュエマをする人たちに定着してほしいと思いました。なのでSRに期待するよりかは低レアリティで便利なカードに期待しましょう。
以上”自然文明は”なぜ弱いと言われるのか?”の考察を終わります。後も不定期で考察やデッキ紹介などをしていくのでTwitterからもチェックできるのでよろしければフォロー、いいね、リツイートをよろしくお願いします。